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行徳野鳥観察舎の再建・存続にむけて

三番瀬保全7団体が市川市長と千葉県に要望


 千葉県市川市では、行徳鳥獣保護区(行徳湿地)のそばに建っている行徳野鳥観察舎の再建が課題になっている。県が老朽化と行政改革を理由に2018年4月1日をもって同観察舎を廃止したからだ。解体は今年度である。

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2018年度に解体される行徳野鳥観察舎。手前は行徳鳥獣保護区(行徳湿地)

 千葉県市川市では、行徳鳥獣保護区(行徳湿地)のそばに建っている行徳野鳥観察舎の再建が課題になっている。県が老朽化と行政改革を理由に2018年4月1日をもって同観察舎を廃止したからだ。解体は今年度である。
 三番瀬保全団体は5月24日、行徳野鳥観察舎の再建・存続を村越祐民(ひろたみ)市川市長に要望した。要望したのはつぎの7団体である。市川三番瀬を守る会、県野鳥の会、三番瀬を守る会、三番瀬を守る連絡会、千葉の干潟を守る会、三番瀬を守る署名ネットワーク、県自然保護連合。

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行徳野鳥観察舎の再建・存続に関する要望書を村越祐民市川市長(中央右)に手渡す三番瀬保全7団体のメンバー=2018年5月24日

 村越さんは2018年4月22日投開票の市長選で初当選した。村越さんは「市民にやさしい市長を選ぶ会」の政策骨子をかかげる市民の共同候補だ。政党では、立憲民主党、民進党、共産党、社民党、自由党、市民ネットワーク千葉県、新社会党、緑の党の8党が推薦した。幅広い市民と野党が一体となって村越さん当選のために奮闘した。村越さんは選挙戦で三番瀬の恒久保全や行徳野鳥観察舎の存続を訴えた。
 村越市長は市川市議会の6月定例会でこうのべた。
 「自然が豊かな行徳鳥獣保護区において、野鳥を観察できる施設はなくてはならないと考えています。先月、新たな施設を協力してつくりたい旨を私自身が県に伝え、県からも今後、積極的に協議をしていただけるとの回答をいただいています。今後は、観察舎再設置の方向で県と具体的な協議をすすめてまいりたいと考えています」
 「行徳野鳥観察舎の再設置にむけた県との協議については、設置場所を含め、建物の規模や形態、費用の負担割合、運営方法などについて協議していくことになると考えています。これまでは県に主体となって設置していただき、市は応分の負担をするというスタンスでした。今後は、県と市が共同で再設置していくという方針ですすめていきます」
 担当の菊田滋也企画部長はこう答弁した。
 「新たな施設を建設する場所については、地盤の状況や周辺環境の影響、またコスト面なども考慮したなかで、どの場所が最も適切なのかを県と協議します。運営方法については、行徳湿地全体および野鳥病院はひきつづき県が管理していくことになっています。その管理棟と観察施設を合築するのか、あるいは別に建てるのかによっても、管理運営の手法や費用負担のルールが異なってきます。したがって運営方法については、これまでの県の方法を参考にしながら、県と協議をおこなってまいります」
 こうしたなかで7団体は8月20日、県自然保護課と話しあった。行徳野鳥観察舎の存続をテーマとした県交渉はこれが5回目である。7団体は「市川市と協力しあって観察舎の再設置にむけて尽力してほしい」と県に要望した。自然保護課はこう答えた。
 「村越市長の就任後、これまで市川市と3回協議した。7月に3回目の協議をおこない、市川市としての対応案を示していただいた。現在は、市から提示された対応案を県庁内で協議しているところである」
 「一日も早く再開しましょう、という話を市川市長から承っている。県としてもできるだけ早く対応を検討したいと考えている」

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行徳野鳥観察舎の再建を求め、千葉県自然保護課(手前左)と話しあう三番瀬保全7団体のメンバー=2018年8月20日、千葉県庁

(JAWAN通信 No.124 2018年8月30日発行から転載)

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