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9年ぶりに春の自然観察会

─仙台・蒲生干潟─

蒲生を守る会 佐場野 裕・上村左知子

蒲生を守る会は「春の干潟の渡り鳥」をテーマにした自然観察会を5月19日に開催しました。「干潟・湿地を守る日」キャンペーンの参加行事です。

春の観察会としては9年ぶりとなる催しです。東日本大震災後ははじめてです。通算では第184回の観察会になります。

開始時の午前10時、集合場所の向洋海浜公園に、2歳の子供から高齢の方まで103名もの参加者が集まりました。観察会のテーマや注意事項の説明を聞いたあと、海岸に下りて、干潟周辺の自然を観察しました。風は少し強かったものの、好天に恵まれた一日でした。

干潟までの砂浜にはハマヒルガオ、ハマナス、ハマニガナ、ハマエンドウ、コウボウムギ、コウボウシバなどの花が咲いていて、足が止まります。ちょうど干潮の干潟では、キアシシギ、コチドリ、チュウシャクシギ、トウネン、キョウジョシギ、シロチドリがコメツキガニなどの小さな底生動物を採食している様子を観察することができました。干潟の周辺では、オオヨシキリ、ヒバリのさえずり、ハシボソガラスの営巣の様子も見られました。ウミネコ、ミサゴ、ツバメ、ハクセキレイ、カワウ、アオアシシギ(声のみ)、ハシブトガラスを含め、鳥類の確認種は16種でした。

観察終了後は集合場所にもどり、観察内容のまとめと、干潟の役割や大切さを訴える解説をおこないました。最後に、蒲生干潟の近くの仙台パワーステーション石炭火力発電所の操業差し止め訴訟をおこなっている原告団代表の長谷川氏より、訴訟に対する理解と支援要請の訴えがなされました。

大人数の参加者でしたが、さまざまな立場の方々のご協力のおかげでなんとか観察会を進行することができました。また、パタゴニア環境助成金の支援により、現地までの貸切バスの運行が可能となりました。


写真3-1 写真3-2
(JAWAN通信 No.128 2019年8月30日発行から転載)

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