■干潟・湿地を守る日2008イベント報告

沖洲海岸観察会(貝類)報告

●日 時:4月20日(日)11:00〜12:30
●場 所:徳島市・沖洲海浜 南1区
●主 催:日本野鳥の会徳島県支部

 この日、沖洲海岸の防潮堤道路とその周辺スペースは車でぎっしり詰まっていました。パトカー2台が巡回し、スピーカーで迷惑駐車の移動を呼びかける声が絶えず流れていました。駐車場所が見つからず観察会に参加できなかった方も大勢いたのではないでしょうか。浜を見ると、そこは約300人の潮干狩り客で大賑わいでした。これから干潟へ向かう家族連れやら、重そうにアサリの入ったバケツを提げて帰る人など、絶えず人の出入りが見られました。おそらくこの日の延べ人数は500人を下らなかったと考えられます。
 こんな中で観察会が出来るだろうかと心配でしたが、人々の間を縫って何とかやり終えることが出来ました。
 今回は「干潟・湿地を守る日2008全国キャンペーン」の一環として、貝類にお詳しい河野圭典先生を講師にお招きし、貝類の種名や生態について興味深いお話をして頂きました。ただ、前回に続きこの日も底生生物の観察種数は少なく、貝類は稚貝がほとんどでした。大勢の潮干狩り客によって干潟が過度に掘り返され、大きな貝類は持ち去られてしまったようです。
 沖洲海岸が市民の憩いの場所であり、多くの人に利用されることは大変喜ばしいとおもいます。しかし、ラムサール条約の精神である湿地の「賢明な利用 Wise use」もここまで来ると「過度利用 Overuse」と言えそうです。
 これほど人気のある沖洲海岸なら、埋め立て計画を中止し、ここを後世に残そうという声がどこからともなく沸き上がってきそうに思えるのですが、これまでのところ野鳥の会以外からは声が聞こえてきません。何がそれを拒んでいるのでしょうか。
 最後に、干潟・湿地を守る日2008宣言文を読み上げ、参加者一同拍手で採択しました。

(曽良寛武)

観察された主な種
 ゴカイ、ホソウミニナ、マテガイ、アラムショロガイ、カガミガイ、オキシジミ、アサリ、クシケマスオガイ、ユウシオガイ、ユビナガホンヤドカリ


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