生物多様性条約市民ネットワーク趣意書2009.1.25制定
生物多様性条約(以下、CBD)第10回締約国会議(以下、COP10)およびカルタヘナ議定書第5回締約 国会議(以下、M0P5)が、2010年10月に愛知県名古屋市で開催されます。CBDは、自然保護に留まらず、 気候変動の緩和・適応、食糧や水などの生態系サービス、貧困と開発、先住民族の権利・伝統的知識、 外来生物・遺伝子組み換え生物の規制、生物資源の持続可能な利用、遺伝資源のアクセスとその利用か ら得られる利益の公正かつ衡平な配分なども含む広範な条約です。この条約の目的を達成するためには、 多様な主体が参加し、地域、国全体、地球規模で取り組むことが必要です。この条約は特に市民社会の 参画を重視しており、日本の市民社会にとってもCOP10/M0P5は、重要な意味を持つ会議となります。 私たち市民社会1は、CBDの目的の達成に向けて、これまでに蓄積した知見と経験を共有し、締約国は じめ多様な主体に対して、地球規模課題の解決に向けた合理的な提言および情報発信を行うために、「生物多様性条約市民ネットワーク(略称:CBD市民ネット、英名:Japan Civil Network for Convention on Biological Diversity)」を設立します。 目的 「地球に生きる生命(いのち)の条約」である、生物多様性条約の目的(第1条)に賛同し、その目的 の実現に向けて地球市民の立場から活動を行う。 活動にあたっての基本原則 ・本会は、上記共通の目標実現のために一つの連携組織としてまとまることの重要性を認識し、合意形 成に努める。 ・本会は、十分な公開性と透明性を保障する民主的な運営に努め、お互いに対等な構成員ができるだけ 合意できる意思決定プロセスを追求する。 ・本会は、生物多様性が地球規模の課題であり、COP10/MOP5が国際社会のための意思決定の場であるこ とを明確に認識し、地球市民としての考え方および行動を尊重する。特に、生物多様性の喪失によっ て、最も直接的かつ甚大な影響を被る開発途上地域の人々への責任を持って取り組む。 活動 1.基盤つくり ・ 市民社会の多様な主体間の情報共有の場をつくる。 ・ 生物多様性条約に関係する広報・教育・普及啓発・研究をおこなう。 ・ 関係組織に対し、関連会議における市民参加の場を確保するよう働きかける。 2.条約交渉への関わり ・ 海外の市民社会との連絡調整役として機能する。 ・ 国内外の生物多様性保全の推進にかかる提言および働きかけをおこなう。 3. 主体の拡大と交流 ・上記目標達成のために生物多様性条約の幅広いテーマに関わる国内外の団体との連携の拡大に努める。 ・このテーマを地域・流域に根ざす課題として受け止め、地域レベルの生物多様性保全政策の水準を引 き上げる働きかけを行う。 ・CBD-COP10/MOP5 の会期中に国内外から参加する多様な主体との交流を図り、相互理解を深める。 1 ここでいう市民社会とは、NGO/NPO,個人さらには生物多様性保全に取り組む企業などを含みます。 参考 生物多様性条約第1条 この条約は、生物の多様性の保全、その構成要素の持続可能な利用及び遺伝資源の利用から生ずる利益 の公正かつ衡平な配分をこの条約の関係規定に従って実現することを目的とする。 「生物の多様性に関する条約」の全文は以下から入手できる。 http://www.biodic.go.jp/biolaw/jo_hon.html (環境省生物多様性センター)__ JAWANトップページ >>生物多様性条約市民ネットワーク |