翻訳「湿地の管理」は、在庫が全く無くなりましたので、販売を終了いたします。
ラムサール条約賢明な利用ハンドブック
「湿地の管理」を翻訳発行しました
日本湿地ネットワークではラムサール条約事務局が発行している「ラムサール条約賢明な利用ハンドブック」の第2版第8巻「湿地の管理」を翻訳して発行しました。
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●監修:
小林聡史(釧路公立大学)
柏木 実(日本湿地ネットワーク)
宮林泰彦(琵琶湖ラムサール研究会)
●編集:
伊藤よしの/浅野正富
(日本湿地ネットワーク)
宮林泰彦
●発行日:2007年3月
●翻訳・発行 日本湿地ネットワーク
●価格:1500円(税込み) |
この「ハンドブック」シリーズは、ラムサール条約の決議やガイドラインをテーマごとにまとめ、そのテーマに関する追加的情報を加えて、条約事務局が分かりやすく編集し刊行しているものです。
今回、このハンドブックシリーズの中から、「第2版第8巻―湿地の管理」を先行して翻訳出版したのは、第9回締約国会議で日本の条約湿地が33ヵ所に増えたものの、条約に基づく湿地の管理計画を立てている湿地は少なく、湿地の機能の劣化が全国規模ですすんでいる日本の状況を見たとき、ラムサール条約が提供している「湿地をどのように管理していくか」について、特に現場で湿地管理に当たる行政・NGOの方々が参照しやすい形で、実践的な情報、ツールを紹介することの意義は極めて大きいと考えたからです。
この「湿地の管理」の翻訳出版が、ラムサール条約に基づく湿地の賢明な利用の理解と、よりよい湿地管理を推進していくための一助となるよう心から願っています。
※「湿地の管理」A4判チラシ(PDF 190KB)
目 次 |
翻訳出版にあたって
謝 辞〔和訳〕
序 文〔和訳〕
国際的に重要な湿地およびその他の湿地の保全管理のための
枠組み〔和訳〕
A 緒 言
B 湿地の「生態学的特徴」の記載
C 湿地管理計画策定過程の構築
I はじめに
II 総合的ガイドライン
III 湿地の管理の河川流域及び沿岸域の管理を含む
広域の環境管理計画策定への組み込み
IV 湿地管理計画策定の機能
V 地域住民と先住民を含む利害関係者
VI 環境管理への予防原則の適用21
VII 管理計画策定はひとつの過程である
VIII インプット、アウトプット、そして成果
IX 順応的管理
X 管理ユニット、ゾーニング、そして緩衝地帯
XI 管理計画書の様式
XII 序文・方針
XIII 湿地の記載
XIV 湿地評価
XV 管理目標
XVI 根 拠
XVII 行動計画(管理プロジェクトと見直し)
D モニタリング計画の立案
E 湿地リスク評価の枠組み
F 生態学的特徴の変化の評価と報告
G 条約のモントルーレコードの適用
H 再生計画の立案
参考文献:「湿地の賢明な利用」の新たな定義
資料編:ハンドブック第8巻に関連する決議と勧告
ラムサール条約賢明な利用ハンドブック一覧
ラムサール条約関連団体ホームページ |
ラムサール条約賢明な利用ハンドブック「湿地の管理」
翻訳出版にあたって
日本湿地ネットワーク(JAWAN:Japan Wetlands Action Network)は、国内外の湿地保全活動団体をネットワークすることにより、干潟をはじめとする広範な湿地の保全や回復運動を展開し、湿地を保全する条約であるラムサール条約を積極的に推進していくことを目指して、1991年に結成されました。この16年に及ぶ活動の中で、各地の様々な湿地保全運動に関わり、また、鳥類のカウント調査・干潟調査などの調査活動も行なってきました。3年ごとに開催されるラムサール条約の締約国会議には、1993年釧路で開かれた第5回から2005年ウガンダで開催された第9回まで毎回オブザーバーとして参加し、地域の湿地保全活動にラムサール条約の掲げる湿地の賢明な利用の理念が反映され、締約国会議の決議やガイドラインによって提供されるツールが活かされていくための取り組みを重ねてきました。環境省がNGOと共に作成してきた決議報告集の翻訳にも毎回協力しています。
今回、日本湿地ネットワークが翻訳して出版する「ラムサール条約賢明な利用ハンドブック第8巻―湿地の管理」は、第7回〔1999年〕と第8回〔2002年〕締約国会議をうけて作成された第2版ハンドブックシリーズ全14巻のうちのひとつです(83ページ参照)。同シリーズは条約事務局が、各湿地で条約の実施にあたる人々を手助けするために、条約のガイドラインなどをテーマごとにまとめ、湿地における実施の成功例など、そのテーマに関する追加的情報を加えて、分かりやすく編集し刊行しているものであり、第9回〔2005年〕締約国会議を受けた第3版全17巻も現在順次発行中です(第2版と第3版の対照表が巻末にあります)。ラムサール事務局のウェブサイトに英語・フランス語・スペイン語で掲載されています。
第9回締約国会議で日本の条約湿地は33カ所に増えたものの、条約に基づく湿地の管理計画を立てている湿地は少なく、湿地の機能の劣化が全国規模で進んでいます。このような日本の状況を見たとき、ラムサール条約が提供している「湿地をどのように管理していくか」についての実践的な情報・ツールを、特に現場で湿地管理に当たる行政・NGOの方々が参照しやすい形で紹介することの意義は極めて大きいと考え、第3版の完成を待たずに、ハンドブックシリーズ第2版全14巻の中から、「第8巻―湿地の管理」を先行して翻訳出版しました。今回の翻訳に際しては、環境省のHPなどに掲載されている決議報告集の正式訳を、内容を変えることなくわかりやすく手直しして収録しています。現在ハンドブックシリーズは第3版への改訂作業が進行中で、「湿地の管理」の改訂終了時期は未定ですが、第3版が完成されれば、速やかに翻訳出版して皆様にご紹介したいと考えています。
また、ラムサール条約は条約本文第4条にあるように条約湿地に限らず、すべての湿地を対象とする条約です。この「第8巻―湿地の管理」のタイトルも、「国際的に重要な湿地、ならびにその他の湿地の保全管理のための枠組み」と続いており、すべての湿地を対象としています。
日本湿地ネットワークに所属している日本各地の市民団体が保全や管理に関わっている湿地の多くは未登録湿地で、早急に条約登録されるべき重要な湿地も少なくありません。条約湿地であるなしにかかわらず、湿地の管理を通してラムサール条約の理念である湿地の「賢明な利用」を実現するために、この「第8巻―湿地の管理」で紹介された管理の手法を現場における管理の基本としてしっかり把握していただければと願っています。
また、第9回締約国会議で湿地の「賢明な利用」の定義が改訂されました。湿地の管理の最終的目標は湿地の賢明な利用を実現することに他なりませんので、賢明な利用の定義を正確に理解することが、湿地の管理を行う上で必要不可欠です。今回翻訳した第2版のハンドブックには、「賢明な利用」の最新の定義が組み入れられていませんので、巻末に掲載した「湿地の賢明な利用の新たな定義」(2005年、第9回締約国会議決議\.1付属書A「湿地の賢明な利用及び生態学的特徴の維持のための概念的な枠組み」)をご参照いただければ幸いです。
翻訳出版にあたり、湿地の賢明な利用の実施に向けたツールを開発し続けるラムサール条約事務局と、様々な点でご示唆・ご協力いただきました環境省自然環境局野生生物課、釧路公立大学小林聡史教授、琵琶湖ラムサール研究会宮林泰彦様ほか関係諸団体の方々に心より感謝いたします。
この「湿地の管理」の翻訳出版が、ラムサール条約に基づく湿地の賢明な利用の理解と、よりよい湿地管理を推進していくための一助となるよう心から願っています。
日本湿地ネットワーク 代表 辻 淳夫
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