斎藤愼一郎さんの遺著「中池見湿地」が
出版されました

「奇跡の泥炭湿原 中池見湿地」
 斎藤愼一郎・著 頒価1800円

 中池見湿地の保全に尽力した故・斎藤愼一郎さんが、病床で書き下した本「奇跡の泥炭湿原 中池見湿地」が、斎藤さんの一周忌を迎えた2008年12月に出版されました。

 大阪ガスの液化天然ガス備蓄基地建設計画で破壊の危機にあった福井県敦賀市の中池見湿地は、保全運動が実を結び、2004年に計画が撤回されました。この本では中池見湿地の保全や泥炭湿地の重要性に関して、一般読者にも読みやすくまとめられています。

 クモの研究者であった斎藤愼一郎さんは、中池見湿地の自然をこよなく愛し、関係者の間では「クモクモ仙人」のニックネームで親しまれてきた方です。斎藤さんは1999年にコスタリカで行われたラムサール条約会議に参加し、NGO会議の泥炭地分科会で中池見湿地の保全を訴えました。分科会では福井県知事あての国際的な緊急声明が採択され、中井池見湿地の保全へと流れを変える大きな力となったのです。

 斎藤さんは2007年12月に胃がんで亡くなりましたが、この本の主要な原稿は、中池見湿地のことを書き残したいという強い意志で、亡くなる1カ月前から半月ほどで書き上げられたものです。本の前半では、多様な生物の宝庫であり、その地下に10万年の歴史を秘めた泥炭層を抱えている中池見湿地の魅力が、さまざまな写真も交えて書きつづられています。また、トラスト運動やラムサール条約会議での活動など、大阪ガスや福井県の方針を撤回させることになった保全運動の経緯が、現場からの視点で報告されています。後半の「泥炭湿地と現在」では、日本や世界各地の泥炭湿地を紹介しながら、その科学的、社会的な重要性について分かりやすく解説されていて、泥炭湿地に関する入門書としても最適なものとなっています。

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〒242-0005 神奈川県大和市西鶴間6-18-18 斎藤好子さん TEL 046-272-7422


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