悪化していた河北潟の環境を回復させようと1994年に活動開始し、1999年にNPO法人となりました。地域活動のビジョンとして、人と河北潟との関係を取り戻すこと、自然とくらしの新しい関係を作ることによる河北潟の再生を掲げています。
本法人は以下の3つの事業を実施しています。
1)研究活動:河北潟地域における自然環境や地域振興に係る研究活動の実施と支援
2)地域活動:シンポジウムの開催や地域のボランティア団体への実務等の支援
3)事業活動:上記2つの活動を支えるために必要な収益事業
また、上記3つの活動を連携させた以下のプロジェクトを実践しています。
1)「すずめ野菜」:潟の外来植物を堆肥化し砂丘農業に使用し農産物を販売
2)「七豊米」:水田耕作を地域連携の中で実施し、農業と周辺水辺管理のモデルを構築する。
3)「生きもの元気米」:農家とNPOが協働し水田の生物多様性向上と安全安心な流域をつくる。
4)「金沢駅西ゆうぐれ金曜マルシェ」:無農薬の農業と消費者を繋げる。
5)流域エコツーリーズム。
活動の対象としている湿地 |
名称 |
河北潟 |
場所 |
石川県金沢市・かほく市・津幡町・内灘町 |
河北潟は能登半島の付け根の部分に位置する海跡湖で、かつては東西4km、南北8kmの大きさでした。以前は大野川を通じて日本海の海水が入り込む汽水湖でしたが、1963年に始まった国営干拓事業により、潟の面積が3分の1にまで小さくなったため海水が入りにくくなりました。また1980年には大根布防潮水門が設置されたために、潟は完全に淡水になりました。干拓と淡水化による環境の大きな変化は河北潟に様々な問題をもたらしています。以前の河北潟では人々は潟の豊かな恵みを受け暮らしてきましたが、近年の河北潟は環境の変化とともに人との接点も少なくなりました。
河北潟干拓地:河北潟干拓地は1359haの面積を持つ広大な農地です。
現在は、麦や大豆などの畑作を中心に、牧場・牧草地、蓮根田として使われています。干拓地は農産物を生産するだけでなく、草原性の野生生物の生息環境としても重要です。干拓により出現したヨシを中心とする広大な草原は、野生生物の格好のすみかでした。入植が始まり草原は減少しましたが、今でも多くの野生生物が住む干拓地は、生物と共存する新しい農業の展開の可能性を秘めた土地です。