韓国ツアー:ナクトンガン河口及び
      チャンウォンCOP10会場の見学

三宅 武 日本野鳥の会徳島県支部長

 「国際湿地シンポジウムin吉野川」を徳島市で開催するにあたり、JAWANより韓国見学ツアーの提案がなされ、野鳥の会もすぐに賛成をしました。西日本の冬鳥は韓国より飛来することが多いと言われるので、韓国の野鳥状況を一度は見たいのが大きな理由でした。
 参加者はJAWAN(浅野正富、伊藤昌尚、伊藤恵子、伊藤よしの、柏木実)、八代野鳥愛好会(高野茂樹)、とくしま自然観察の会(井口利枝子)、日本野鳥の会徳島県支部(山内美登利、綿谷春代、三宅武)の10名です。

COP10会議場(CECO入り口) COP10会議場内部

2007年1月6日(土)

 徳島から一番早く到着したので、キメ空港東側のナクトンガン河川敷で1時間ほど野鳥観察をしました。プサン市街地を背景にトモエガモは霞のような大群で湧き上がり、ヒシクイの大群もアシ原より次々に飛び立つなど、日本ではお目にかかれない光景が出迎えてくれました。
 プサンのキメ国際空港で10名が14時に待ち合わせて、韓国自然保護団体のKFEMメンバーによる案内で、チャンウォン市へマイクロバスにより移動しました。
 2008年チャンウォン市で開かれるCOP10会議場となるCECOを、COP10コーディネートチームが案内してくれました。光をふんだんに取り入れた斬新な10階建ての巨大な建築物が完成し、その中には大中小の会議場や展示場と同時通訳の国際会議場もありました。その横には2000名収容のホテル、デパートなどが建築中でした。チャンウォン市内のホテルや食堂でCOP10の準備状況を見に来ましたと言えば、割引サービスが受けられるくらい、一般市民も一丸となって取り組んでいることが伝わってきました。
 チュナム貯水池も案内してくれました。ここは有名な探鳥地のために人も野鳥も多く、マガン、ヒシクイ、オオハクチョウ、マナヅル、ヘラサギなどに出会いました。近くのゲージには傷病鳥としてクロハゲワシが2羽入っていました。
 その日はチャンウォン市内で夕食会がマサン・チャンウォンのKFEMメンバーや市職員とで行われ、食後は伝統茶屋に移動し懇談会を開いてくれました。見学に来ただけでこんなに歓迎してくださり、野鳥を通じての熱い友情を感じました。


アミ山からのナクトンガン河口

1月7日(日)

 今日は広大なナクトンガン河口を訪ねるので朝食後はプサンへ向かいました。まずは河口のウルスク島にある「湿地と鳥たちの友だち」事務局で、パク・チュンロク先生たちから保護活動の経過や問題点と動植物の説明を受け、さらに河口に案内していただきました。まずはアミ山から広大な河口11kmに島状に点在する砂洲と続くアシ原の付近に浮かぶ数千羽のツクシガモやオオハクチョウに絶句。ミョンジ干潟でもオオハクチョウ、ツクシガモが広大な干潟で羽を休めていました。シノリ干潟ではダイシャクシギが30羽も越冬していました。ウルスク島では30数羽のダルマエナガを観察しました。
 この環境は飛来する東アジアの野鳥たちにとって重要な湿地であり、ラムサール登録湿地として後世に永く残したいと素直な気持ちで言えます。
 韓国の皆様、大変ありがとうございました。そして、今回の韓国エコツアーをお世話してくださったJAWANの皆様、大変ありがとうございました。

(JAWAN通信 No.87 2007年4月25日発行から転載)