トップ ページに 戻る

事務局報告

「モニタリングサイト1000シギ・チドリ類調査」

〜これまでの検討会と交流会を振り返って〜

 日本湿地ネットワーク(JAWAN)は、WWFジャパン、環境省の共催で2003年よりシギ・チドリ類「モニタリングサイト1000検討会」と「モニタリングサイト交流会」を毎年開催しています。主に2007年度に開催された検討会・交流会を振り返って報告します。 

■検討委員会の開催
 2007年11月23日(土)、徳島市で第5回「モニタリングサイト1000検討会」を開催しました。この検討会では、シギ・チドリの分野に明るい委員(専門家・有識者)に協力をいただいて、これまでモニタリングサイト1000に関し@サイトの全国配置A持続的な調査体制B情報収集・解析システムの開発C調査結果の保全への活用などについて継続して検討を行ってきました。

 検討委員(各ブロックの調査員から選出)
 北海道:松尾武芳(風蓮湖調査員)、東北・関東:田久保晴孝(千葉県野鳥の会)、北陸
中部:高橋伸夫(西三河野鳥の会)、近畿・中国・四国:高田博(NPO法人南港ウェットランドグループ)、九州:高野茂樹(八代野鳥愛好会)、沖縄:山城正邦(沖縄野鳥の会)
 専門委員 桑原和之(千葉県立中央博物館)、鈴木孝男(東北大学)

 第5回検討会は、環境省生物多様性センターより岸田宗範氏、黒川武雄氏が出席され、検討委員及び専門委員とともに課題について検討審議が行われました。特に蓄積された調査データの運用方針について集中的に意見交換が行われ、@運用目的A運用体制Bデータ閲覧者の範囲C利用規則案などが検討されました。

11月23日検討会

■モニタリングサイト交流会
 2007年11月24日(土)、日本湿地ネットワークとWWFジャパンは第4回「モニタリングサイト交流会」を徳島市内のウエルシティ徳島で開催し、全国から約80人の参加がありました。
 このモニタリングサイト交流会は、2004年度熊本県八代市(球磨川河口)、2005年度愛知県名古屋市(藤前干潟)、2006年度千葉県習志野市(谷津干潟)と、毎年1回開催しています。

 シギ・チドリ類の全国的な調査は、(財)日本野鳥の会のシギ・チドリ類全国一斉調査(1973〜1985)、日本湿地ネットワークの全国シギ・チドリカウント報告書(1996〜1998)、環境省シギ・チドリカウント報告書(1996〜1998)、環境省シギ・チドリ定点調査(1998〜2003)、環境省シギ・チドリ類個体数変動モニタリング調査(1999〜2003)が名称を変えながら長年継続して行われてきました。
 今後は、環境省が推進するモニタリングサイト1000事業へ移行していくものと考えられます。

 交流会の目的の一つは、長年にわたりシギ・チドリ類の観察や地域に密着した保護に携わった方たちが一同に会し、日頃の活動の紹介や従来、目の行き届かなかった分野に光を当てる発表の場となることです。また交流会を通じて「モニタリングサイト1000」というまだ馴染みの薄い言葉や活動を一般の方に触れて頂き、「認知度」を高めていくことも重要な目的のひとつとなっています。

 第4回交流会は四国・近畿・中国東部地域で調査をしている方々を中心にシギ・チドリ類の調査、生息地の保全、関連する底生生物について発表や情報交換を行い、交流を図りました。
 吉野川河口(徳島県)をはじめ、重信川(愛媛県)、加茂川河口(愛媛県)、物部川(高知県)や松永湾(広島県)、ハチの干潟(広島県)、大阪南港野鳥園の干潟など各地の参加者から貴重な報告がありました。日本野鳥の会徳島県支部研究部長の東條秀徳さんは、1976年から30年間のデータを基に吉野川河口のシギ・チドリ類の飛来状況を分析発表して調査の大切さを強調しました。討議では活発な意見交換が行われ、吉野川河口では東環状大橋が建設中であり、今後、さらに四国横断自動車道計画も浮上しており、環境団体からは保護に向けてどのように対応すべきか強く懸念する発言が相次ぎました。

11月24日交流会


 翌日のエクスカーションは日本野鳥の会徳島県支部曽良寛武さんの案内で沖洲(おきのす)海浜工事現場と吉野川河口を見学しました。晴天に恵まれ、河口ではハマシギ、シロチドリ、ズグロカモメや6年ぶりのクロツラヘラサギが出迎えてくれました。

エクスカーション吉野川河口

 (2007年12月6日:事務局会議にて報告:於豊島区池袋)

>> トップページ >> REPORT目次ページ