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新知事はウルトラマン?

 牛野 くみ子 (千葉県自然保護連合代表)
 
 2009年3月29日は、私にとって感動と失望を味わった日でした。
 八千代松陰高校生徒さんによる「飯盛り大仏」が上演される日です。朝早く船橋市の宮本公民館に行く。300人劇場の客席を満席にすることが出来るのか。ワクワクドキドキ。

 午後1時過ぎ、チケットを持たないお客さんが先ず見えた。その数20〜30人。そのうちチケット持参者もやってきたので開場を早めたが、後から後からとお客さんは続き、瞬く間に席は埋まってしまった。立ち見も出て、最終的に300人劇場は350人劇場となってしまったのです。高校生の熱演で芝居は大成功。お客さんも大満足。内容は、江戸時代、横暴な権力に抗議して牢死した漁民代表のお話で、埋め立て問題で苦悩する今日の漁師に通じるものがあり、涙、涙の物語です。

飯盛り大仏公演
船橋・宮本公民館の「飯盛り大仏」上演

飯盛り大仏
船橋市「飯盛り大仏」

 が、この夜待っていたのは期待はずれの千葉県知事選の結果でした。下馬評で森田健作氏の優勢と伝えられてはいましたが、現実になろうとは。環境問題にもっと理解のある知事誕生を期待していました。
 選挙戦では「完全無所属」を謳っていたが、実は自民党東京都衆議院選挙区第2支部の代表を務めていたことが、選挙後発覚しました。結局、千葉県民を欺いて知事になったのです。私の1票を返してほしいとの声は当然起きました。
「森田健作氏を告発する会」は4月15日、千葉地検に告発状を提出しました。千葉の干潟を守る会でも6人が告発する会に賛同し、弁護士に委任状を提出しました。
 元気モリモリ。千葉県を日本一にしよう!のかけ声だけは勇ましいが、具体策は何ひとつ言わなかったその人が知事になってしまった。公約でハッキリ口にしていたのは、羽田、成田間のリニアモーターカー推進です。
 森田氏は交通計画課にリニアモーターカーのプロジェクトを設けたようだ。千葉県では現在、都心と成田空港間を結ぶ成田新高速鉄道線が、2010年をめどに建設中です。その上に更に一旦は建設コストに比べ、時間短縮効果が合わないとご破産になったリニア計画を森田氏は再登場させたのです。財源、そしてリニアが使用する電力消費量、沿線住民の環境(電磁波)を全く考えない、ましてや県民を騙しての当選です。知事の座をお引き取り願おうと思ってます。
 森田氏は、説明を5分も聞くと「そんなとこかな?」と話を切り上げ、細かい政策的な話には耳を傾けないのだそうです。「実働時間が短い」ということでウルトラマンとあだ名がついたそうです。が、ウルトラマンに悪いなと私は思っています。
 三番瀬の保全のためにこれまで、シンポジウムや音楽会そして演劇と様々やってきました。そこに知事を退任させる運動まで入ってくるとは。今年もやりがいのある1年になりそうです。

(JAWAN通信 No.93 2009年5月30日発行から転載)

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