泡瀬・公金差し止め訴訟二審勝訴に寄せて
水間 八重
(泡瀬の干潟で遊ぶ会)
これほど様ざまなものに感謝したくなった日はなかった。いわゆる「二審の壁」を破る、歴史的な判決だった。これまでたくさんの人びとがそれぞれに故郷や海や小さな命を思って行動してきた、その結果だと思った。 勝訴判決を聞きながら、私は来し方 10年を思い返していた。はじめて泡瀬に行ったのは1999年 6月 13日。仲間たちと歩いた泡瀬の海に、私は一目惚れしてしまったのだった。 澄み切ったキラキラ光る海を渡る風。ふかふかの絨毯のような海草の原。色鮮やかで種類も量も豊富な貝。甲殻類たちのたてる愉快な音。……でもこれらは、工事の影響で今や見る影もない。そのうえ二審判決が確定してなお、沖縄市はあらたな土地利用計画を策定し、埋立続行を国に求めるという。早くとめて。そして早く元の姿に戻して!! 泡瀬が本当の意味で元の姿に戻るには、人の一生を越えた長い長い時間がかかるに違いない。それを見届けるという希望ある仕事は、まだ見ぬ未来の世代にゆだねることになるだろう。けれど「二審勝訴」の波及効果は、自分の目で見ることができるに違いない。 思いよ、届け! 問題を抱えたたくさんの土地へ……。この「よき前例」が、今後、上手く使われてゆくように。 (JAWAN通信 No.95 2009年12月10日発行から転載)
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