泡瀬干潟埋め立ては即時やめ、再生を!
フジイロハマグリ発見
結論から言いますと、去る4月8日(日)10:30〜15:00 ウミエラ館発着・主催の“歩いていく!泡瀬干潟の妖精ウミエラ&2万9千平方メートルのヒメマツミドリイシ観察ツアー”で私、屋良がウミエラ生息地で「フジイロハマグリ」を発見した。
同観察ツアーの帰途、この世の天国のような白い細砂のウミエラ生息地帯で見たことのない二枚貝を砂上で発見し手にとってみると巻貝が付着している。共に生きている。同僚に聞いても見たことがないというので持ち帰ることにした。
この貝をウミエラ館で飼育していたガサミの水槽に入れて翌日見たら割られてしまうというハプニングがあったが、その前後にブログ用に撮影した写真の鑑定結果、研究者意見がフジイロハマグリとニライカナイゴウナに間違いないとなり。4月18日ウミエラ館で記者会見を行い、翌日のマスコミ報道となった。
フジイロハマグリは沖縄県の「レッドデータおきなわ」で絶滅危惧Ⅱ類と記載されており、その生貝は05年に発見されて以来7年ぶりの3例目である。二枚貝に寄生するニライカナイゴウナは新種の巻貝だ。しかも共にこの泡瀬干潟のウミエラ生息地という限られた場所での発見となったのである。
私達はこれら貴重種の貝やサンゴの保全のための調査要請を過去に行ってきたが国・県・市は“無視し埋め立てを強行”してきたのだった。新種、貴重種の発見場所であるこのウミエラ生息地は第一期工区の追加工事でマリーナを造る事になっており、ウミエラ生息地(フジイロハマグリ発見場所)はマリーナの堤防予定地と重なる。しかし、今度の発見で、もはやこれ以上の無謀な埋め立ては簡単には許されない情勢になっている。
第二次泡瀬干潟公金支出差止訴訟
3月27日、那覇地裁で第二次泡瀬干潟公金支出差止めの「自然の権利」訴訟第3回公判が行われました。そこで私が意見陳述した文を紹介することで現状の一部が報告できるのではないかと思います。
意見陳述
泡瀬干潟の埋め立ては即時やめ現状回復せよ2011年3月27日(火)ヒメマツミドリイシこと屋良朝敏この埋め立ては多くの疑問があります。その特徴的なことを述べてみたいと思います。
①泡瀬干潟埋め立ては辺野古と同様、沖縄県自ら“厳正に守るべき評価ランク1”に指定した海域である。県の態度は、同じ貴重な場所を、辺野古では保全を訴え、泡瀬干潟では埋め立てを推進するという自然環境評価の矛盾が生じている。
②民間や個人が新種、貴重種を10 以上も発見しているのに、そもそもどうして国は新種一つも見つけきれないのか。国は新種、貴重種の有効な保全策を示すべき。
③埋め立ての影響であると思われる砂州の変化(満潮時も海面上にあった東側砂洲が水没、県総合運動公園オートキャンプ場東の砂州の減少、メーヌハマの急激な痩せ細り)について再度アセスをやり直すべきである。
④本格埋め立て後、2008年頃から顕著となっているIT ワーク裏干潟のアーサの極端な減少。
⑤“干潟の98%は残るので環境に影響ない”という主張は干潟海域の連続性を考慮しない非科学的な主張であり。浅海域96ha が埋められることに目をつぶっている。
⑥第一期工区内の閉じ込められた海域の調査拒否は都合の悪さを隠ぺいするためではないか。その証拠にウミエラ館からそこで釣りをしている人を確認している。ミサゴやコアジサシがダイブしているのも確認している。3年間も閉じ込められていながら生態系が残っている理由は、護岸内でも潮の干満があるからと思われる。今度の埋め立ては生物の二度殺しの残酷な意味をもつ。
⑦国は第一期工区内にあったサンゴの種類数と被度を見落とし私たちの発見、指摘で渋々データを示した。だが被度については、10%未満と主張を変えず、一方で国の責任でなく、民間NGOや沖縄市が貴重で元気なサンゴを移植した。アセス違反である。
⑧海草藻場の被度減少を台風のせいにしているが、台風銀座の沖縄で海草藻場が発達してきた事実と矛盾する。
⑨貝の専門家、サンゴの専門家が環境監視委員会にいないのはなぜか。
⑩環境省はラムサール条約登録潜在候補に挙げているのに、なぜ沖縄市はそれを真摯に受け保全へと動かないのか。
⑪県は国の辺野古アセスに異をとなえている。その主張は私達が泡瀬保全を訴えている内容と同じである。泡瀬埋め立てを強行する県はこの矛盾した見解をどのように説明するのか。
⑫国(民主党政権)は国民と約束した“コンクリートから人へ”のマニフェストを守るべきではないのか。東北大震災の発生で教訓になった地震津波対策が全くない埋め立てを許していいのか。1200億円の埋め立て予算を東北大震災に回すべきではないか。
泡瀬干潟海域の埋め立ては国民に莫大な損失を与えるものではないか。
貴重なサンゴ、海草藻場、生物多様性の宝庫、琉球諸島世界自然遺産登録の一角を担う泡瀬の自然を税金でつぶすという二重の愚を犯すものではないのか。
開発によって得るメリットと失うデメリットを天秤にかけて判断した場合、デメリットが多い開発である。前回裁判判決で示された経済的合理性のなさに加え、この訴訟の特徴である“自然の権利”訴訟の観点である環境の面からも注目される裁判です。
特にサンゴや海草、貝などの被度偽装が許されている現在の環境アセスメントの欠陥性を正していく裁判として意義があると思います。“白は白、あるものはある”“正義と真実”を認める判決を要望し意見陳述とします。
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