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■「浸透性農薬に関するフォーラム」を聴講

(事務局伊藤)

 9月2日(日)に開かれた「浸透性農薬に関するIUCN東京フォーラム」を聴講した。以前に、ミツバチの大量死が報道され、またスズメの著しい減少が話題になりましたが、原因は、どうもタバコのニコチンの性質に似た農薬「浸透性ネオニコチノイド系農薬」の影響であることが濃厚のようです。
 「浸透性」であるネオニコチノイド農薬は水溶性であることから、根から(葉や茎からだけでなく)殺虫成分を吸収し、葉や花粉、花蜜を食する多くの昆虫類を消滅させていることを実験や観察で指摘しています。当然、食物連鎖によりスズメはもとより野鳥全体の脅威を与えていることにもなります。また、多くの野菜類に使用されていて、土壌への残留性が高いこと、人間への影響、特に子どもへ脳の影響が懸念されています。自然や湿地、生態系に強く関係する問題と感じました。

・講演資料から一部をご紹介

 演題「浸透性農薬に関する統合評価」
 ヨハン・P・ヴァンデル・スラウジュ博士
 (ユトレヒト大学持続可能な発展に関するコペルニクス研究所)
 1990年初めに、市場投入された以来、ネオニコチノイド系農薬(以下、ネオニコチノイド)はたちまち、もっとも広く用いられ、需要が最も急拡大する農薬となった。
 その世界市場におけるシェアは15億ユーロ(全世界の農薬市場の約25%)に達する。
 主な使用形態は種子施用(年間7億6500万ユーロ)で世界的な大規模利用は2004年頃始まった。今日、ネオニコチノイドは120か国以上で登録され、何百種類という作物の栽培に用いられている。最も広くイミダクロプリド。他にクロチアニジン、チアメトキサム、チアクロプリド、アセタミプリドがある。これらネオニコチノイドは、非常に幅広い植物防護製品の主要成分となっている。ネオニコチノイドの「浸透性」とは、根を通して植物の樹液に侵入し、成長の全過程にわたって、その植物全体に昆虫類への毒性を持たせることを指す。昆虫たちは、そうした植物を摂食し、花粉、溢液、結露、花蜜を集めることによって、農薬と接触ないし農薬の吸収、あるいはその両方を行なう。媒介となるのは、ネオニコチノイドに施用された作物、ネオニコチノイドに汚染された野生植物、汚染された表層類、汚染された土壌、もしくは水分である。(以下割愛)

■2012年9月2日に開催「浸透性農薬に関するIUCN東京フォーラム」の発表映像と発表資料は、以下のアクト・ビヨンド・トラストサイトにて公開しています。
http://www.actbeyondtrust.org/iucn-tokyo-forum-120902/
ネオニコチノイドをめぐる問題への多角的なアプローチの最新動向として、ぜひともご参照ください。ご関心を持つ方々へもお伝えいただければ幸いです。


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