盤洲干潟のラムサール条約登録を求める要望書
環境大臣 山本公一 様
小櫃川河口・盤洲干潟を守る連絡会
代表 小関公平
代表 小関公平
東京湾・千葉県木更津市の小櫃川(おびつがわ)河口に広がる盤洲(ばんず)干潟は、1400haの広大な面積をもつ日本最大級の砂質干潟であり、自然海岸の後背地には43haもの塩性湿地帯があります。そこにはヨシが生い茂り、海岸部分は護岸もなく大昔から引き継がれた原風景を留めている日本国内で唯一の大規模自然干潟です。
この小櫃川河口・盤洲干潟で確認される生物は実に多種多様で、世界でここだけに生息する昆虫(キイロホソゴミムシ)や2年前に新たに発見された小型のカニ(バンズマメガニと命名された)も生息しています。また多くの渡り鳥にとっても欠かすことのできない採餌場所でもあります。
盤洲干潟には、現在六つの漁協があり、海苔、アサリの養殖がおこなわれております。5月のゴールデンウイークともなると各漁協が営む潮干狩り場は大勢の家族連れでにぎわいます。また干潟では業者が数ヵ所に簀立てを設置し、簀立て漁(簀立て遊び)を営んでいます。これは広大な干潟があればこそできる昔からの浜遊びです。このように盤洲干潟は人々の暮らしと深くかかわっています。また地域の学校や公民館、博物館などが積極的に環境教育の場として取り上げており、その価値は非常に高いものがあります。
2020年、東京オリンピック開催を控え、千葉県では東京湾クルーズ船就航も視野に入れております。現在、東京湾内でラムサール条約に登録されている湿地は谷津干潟一カ所です。日本が環境を大切にする成熟した文化国家として世界から認められるためにも、国内で唯一の自然干潟・盤洲干潟を三番瀬などと共にラムサール条約登録を要請いたします。
(JAWAN通信 No.117 2016年11月30日発行から転載)
>> トップページ >> REPORT目次ページ