■2017年「干潟・湿地を守る日」イベント報告
多摩川河口干潟観察会(4月30日)
〜Nacs−J自然観察指導員東京連絡会(NACOT)、
NPO法人環境ネットワーク・文京(ENB)〜
今年の多摩川河口干潟観察会は4月30日に開催しました。快晴で気温も上昇した当日、カニを中心とした干潟の生き物たちが活発に動きまわる中での開催となりました。参加者は94人です。
NACOTは、羽田空港と多摩川対岸の川崎市を直結する連絡橋の建設を注視しています。一般参加者を交えた観察会としてはじめて、この連絡橋問題を具体的なアクションとしてとりこんだ企画となりました。企画自体を「午前の部」と「午後の部」の2部構成としたことも、今回の大きな特徴です。
午前、参加者が観察会現場(干潟)に到着した時点では干潟は出現していません。ほかの干潟観察会では干潟が現れていない現場を見せることはしませんが、今回は潮が引いて干潟が出現するまでの経過も観察していただくことを試みました。
干潟では、潮の干満により生物たちの栄養(有機物)が供給されます。これは、干潟が存在し続けるための必須要素のひとつです。時間の経過とともに水際が後退し、干潟や中洲が出現する様子を観察することで、潮の干満と干潟の関係性を参加者に説明することができました。
さらに、この干潟が出現するまでの時間を使い、河口1kmポイントまで散策しながら、干潟の生態系と、午後の部につなげる事前説明を行いました。同時に、連絡橋の建設予定地におもむき、ここに橋ができる事実を説明しました。 「午後の部」は実際に干潟に入り、そこに生息する生き物たちとふれあいながら観察し、干潟に多様な生物が生息していることを参加者に実感いただきました。
(山口義明)
(JAWAN通信 No.119 2017年5月30日発行から転載)
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