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天草と辺野古の海を守ろう

〜辺野古土砂搬出反対熊本県連絡協議会が水俣市で講演会〜


図4-1

 「天草と辺野古の海を守る」と題した講演会が2017年6月17日、熊本県の水俣市公民館でひらかれました。主催は辺野古土砂搬出反対熊本県連絡協議会。参加者は50人です。
 天草の御所浦島では1997(平成9)年に恐竜の歯の化石が発見されました。2009年は日本ジオパークに認定されました。地元は「恐竜の島」として観光に力をいれています。最近は観光客も徐々にふえているそうです。
 その「恐竜の島」でたいへんなことがおきています。御所浦島の南部にある採石場では、採石跡に巨大な穴ができています。そこに製鋼スラグとヘドロ(海底浚渫土砂)が投棄されているのです。製鋼スラグは健康被害の危険性も問題視されています。また、辺野古埋め立て用として御所浦島から約300万トンの土砂を搬出する計画ももちあがっています。
 御所浦まちづくり協議会などは県と何回も交渉し、製鋼スラグなどの投棄をやめさせ、採石認可更新申請を認可しないよう申し入れています。しかし県は「問題ない」と言いつづけています。このままでは、漁業と観光でなりたつ御所浦は「産業廃棄物の島」になってしまいます。また、辺野古埋め立て用の採石によって環境破壊がさらにすすみます。不知火海の漁業にも大きな影響をあたえます。

写真4-1
沖縄・辺野古埋め立て用土砂搬出の候補地にあげられている御所浦島(熊本県天草)の採石場。御所浦の人たちは採石認可更新や製鋼スラグ搬入などに地域ぐるみで猛反対している=大嶽弥生さん提供

 講演会の開会あいさつは、辺野古土砂搬出反対熊本連絡協議会の共同代表をしている板井優弁護士です。板井さんはこう話しました。
 「辺野古の周辺は昔からの貴重な環境がかなり残されている。辺野古の海にはジュゴンもやってくる。そういうところに基地をつくろうとしている。みんなで力をあわせて基地建設を食い止めたい」
 講師は、御所浦まちづくり協議会の森恵慈会長と芦北町の漁師緒方正人さんです。森さんと緒方さんは、御所浦島と不知火海の危機的状況や、御所浦住民の地域ぐるみのたたかいをわかりやすく話してくれました。
 森さんは、製鋼スラグの持ち込みを容認し、採石認可更新申請を認可しようとしている県の姿勢をきびしく批判しました。そして、「私たちはここで引くわけにはいかない。御所浦の採石が一日でも早く終掘するようにがんばりたい」と決意をのべました。
 緒方さんはこんなことを話しました。
 「御所浦島の採石場の沖は不知火海で最も豊かな場所であった。ところが、今年はさっぱりである。とりわけ採石場付近では、長年獲れていたタチウオがさっぱり獲れなくなった」
 「山が壊されている、島が壊されている、ということだけにとどまらず、私たちの愛する世界が壊されようとしている。海や山の世界が壊されようとしている。私も、非力ながらみなさんといっしょに参加させていただきたい」

写真4-2
講師の話に耳を傾ける参加者
(JAWAN通信 No.120 2017年8月30日発行から転載)

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