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30年続く思い・和白干潟の仲間たち

和白干潟を守る会 代表 山本廣子

 和白干潟を守る会は今年6月、『未来につなごう 和白干潟Ⅱ〜和白干潟を守る会 30年のあゆみ〜』を発行しました。山本廣子代表の思いを紹介させていただきます。
 
写真5  「和白干潟を守る会」は1988年4月から活動をはじめ、30年が経ちました。これを記念して「和白干潟を守る会30年のあゆみ」を作りました。これまでを振り返り、これからの希望を作ることが目的です。
 1978年、博多港港湾計画で和白干潟を含む博多湾東部海域全面埋め立て計画が発表されました。私は友人の協力を受けて、和白干潟を埋め立てないでと、「和白干潟保全」の請願書を300名分の署名を付けて福岡市議会に提出しました。1987年のことです。
 和白干潟は埋め立てを免れましたが、和白干潟の大切さを伝え続けないとまた埋め立て計画が出されると思い、請願書の時に協力した友人たちとともに1988年に「和白干潟を守る会」を結成しました。和白干潟の観察会、クリーン作戦、調査が活動の柱になっています。「和白干潟まつり」も年1回の大きな活動です。これらの活動を毎月の「定例会議」で皆と話し合い、協力して活動に取り組んできました。毎年1回の総会で活動を振り返り、活動方針を立て、係を決めています。必要な時には各係で会議を行っています。このような民主的な会であったことが、会が長く続いたことにつながったのだと思います。
 長い活動の中で、多くのすばらしい仲間との出会いや別れがありました。和白干潟を守る会の活動にかかわった方々が、「和白干潟を守る会」を作ってきたのだと思います。絶え間なく保全活動を続けてこられたのは、すばらしいことだと思っています。
 和白干潟は開発計画に翻弄されてきました。埋め立ては免れたけれども、自然海岸がありながら沖合を人工島で埋め立てられて、傷ついています。排水など私たちの生活も和白干潟を傷つけています。それでも和白干潟は精一杯私たち人間を癒してくれます。そんな和白干潟を私たち人間の知恵で守り継いでいきたいと願っています。これからも和白干潟のすばらしさを伝え、保全活動を仲間とともに続けていきたいと思っています。

(JAWAN通信 No.124 2018年8月30日発行から転載)

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