カニがいっぱい!
~盤洲干潟 春の観察会~
「小櫃川河口・盤洲干潟を守る連絡会」(山田周治代表)は5月4日、盤洲干潟で春の観察会をひらいた。参加者は家族連れなど25人。
千葉県は高度成長期に東京湾の干潟をかたっぱしから埋め立てた。盤洲干潟もすべて埋め立てる予定だった。「東京湾をこれ以上埋めるな」の運動が高まったため、盤洲干潟は残った。
盤洲干潟は前浜干潟と後浜(河口三角州)からなる。前浜干潟の面積は1400haにおよぶ。砂質干潟としては日本最大規模である。この日も水際が見えないほど遠くまで干潟があらわれた。
後浜の面積は43haである。塩性湿地が広がっている。ヨシが生い茂っている。ハママツナ、シオクグといった塩性湿地植物の大群落もある。干潟本来の姿を見ることができるのだ。このような原風景(自然の海岸線)は、日本では盤洲干潟と和白干潟(博多湾)にしか残っていない。
後浜の中州ではたくさんのチゴガニが巣穴から身を乗り出し、白いハサミを振る「チゴガニダンス」で出迎えてくれた。チゴガニは大人の小指の先ほどの大きさだ。アシハラガニやコメツキガニもたくさんいる。こどもたちは「うわっ! カニがいっぱい」と大喜びだった。
参加者からは、「昔のままの姿で干潟が残っていることを実感し、感動した」「こんなに多くのカニを見たのははじめて」の感想が寄せられた。
(JAWAN通信 No.127 2019年5月30日発行から転載)
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