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辺野古新基地建設工事に関する「設計概要変更申請」の撤回と  新基地建設の断念を求める要望書


日本湿地ネットワークは内閣総理大臣と防衛大臣にたいし、沖縄県名護市辺野古の新基地建設工事に関する設計変更申請の撤回と新基地建設の断念を求める要望書を提出しました。

埋め立て予定の海域付近では絶滅危惧種ジュゴンの鳴き声が繰り返し確認されています。そのため沖縄県は、ジュゴンの保護対策などを講じるまで工事を再開しないよう、沖縄防衛局に行政指導文書を出しています。ところがそれも無視して工事を強行です。沖縄防衛局は6月12日、57日ぶりに建設工事を再開しました。

 

2020年5月26日

内閣総理大臣 安倍晋三 様

防衛大臣   河野太郎 様

日本湿地ネットワーク

共同代表 辻 淳 夫

牛野くみ子

 

辺野古新基地建設工事に関する「設計概要変更申請」の撤回と

新基地建設の断念を求める要望書

私たち日本湿地ネットワーク(JAWAN)は、干潟・浅海域や湿原など全国各地の湿地を保全するために活動しています。

政府・防衛省は4月21日、沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設で、軟弱地盤改良のための設計変更申請を沖縄県に提出しました。

この申請と米軍新基地建設は重大な問題をかかえていることから、申請の撤回と新基地建設の断念を強く要望します。理由は下記のとおりです。

1.辺野古新基地予定地の辺野古の海と大浦湾は、世界的にも貴重な生態系を有しています。沖縄防衛局による環境影響評価の調査でも、この海域で絶滅危惧種262種を含む5800種以上の生物が確認されています。大規模なアオサンゴの群集もあります。ジュゴンの餌場にもなっています。埋め立てを続行すれば、かけがえのない人類共通の財産を消失させることになります。

2.県民投票や、沖縄県知事、衆院選、参院選などの選挙において、沖縄県民は辺野古新基地建設に反対の意思を何回も示しています。それを無視することは、地方自治や地方分権を侵害し、民意をふみにじることになります。

3.多くの専門家や技術者は、水深90メートルにおよぶ軟弱地盤の改良は困難であると指摘しています。改良を可能とする技術や設備、経験が世界のどこにもないからです。そのような軟弱地盤を改良するためには膨大な量の土砂と海砂が新たに必要になります。私たちは、採取によって海と山の自然が大規模に破壊されることを心配しています。

(JAWAN通信 No.132 2020年8月30日発行から転載)

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