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渡り鳥たちを守りたい

~「2022干潟・湿地を守る日」吉野川河口探鳥会~

日本野鳥の会徳島県支部 共存部 山内美登利

諫早湾にギロチンが落ちて25年になるのですね。その間にどれほどの湿地が消えていったでしょう。私たちはシギ・チドリ類たち渡り鳥の命の鎖を護ろうとこれほど活動しているのに! 諫早湾がまだ開門されないことに心が痛みます。

「干潟・湿地を守る日」は1日だけでなく毎日です。毎日戦ってきたのに、吉野川河口では四国横断自動車道の渡河橋が開通し、吉野川が海と接するところからわずか5kmもない干潟の広がる河口部に巨大な橋が3本もかかってしまいました。吉野川大橋、阿波しらさぎ大橋、サンライズ大橋(高速道路)です。シギ・チドリ類などの渡り鳥にとっては命を脅かす出来事です。

それでも4月17日は、まずミサゴが出迎えてくれ、常連のハマシギ、トウネンにオオソリハシシギ、コオバシギ、ウズラシギ、キョウジョシギ、アオアシシギ、メダイチドリ、オオメダイチドリなど多くのシギ・チドリがいました。嬉(うれ)しかったのは、橋などができると来なくなるといわれているホウロクシギが2羽渡来してくれたことです。

探鳥会の最後に、多くの渡り鳥たちを守りたいと強く願いながら、全国各地の干潟・湿地を守るために力をあわせて行動することを誓う「2022干潟・湿地を守る日」宣言を皆で採択しました。

写真1-1
「2022干潟・湿地を守る日」吉野川河口探鳥会=4月17日
写真1-2
遠方に見える橋が、開通したばかりの高速道路の「サンライズ大橋」=4月17日
写真1-3
「2022干潟・湿地を守る日」宣言を皆で採択=4月17日

JAWAN通信 No.139 2022年5月20日発行から転載)