有明海再生を模索する市民活動
─干潟を守る日2024 in 諌早─
「干潟を守る日2024 in 諫早」実行委員会
大島弘三
毎年4月14日は「ギロチン」の日。諫早湾が閉め切られて今年で27年となる。若い世代にとっては、「諫早湾」は遠い過去のこと。黄土色に汚れ、生き物の姿も見えない「調整池」がかつての干潟だったと想像できる人はどれだけいるのだろう。
4月20日、「干潟を守る日2024 in 諫早」を諌早市内で開いた。主催は同実行委員会。今年の集会もたくさんの仲間が集まってくれた。毎年参加する常連のなつかしい顔。初めて会う新顔さん。それぞれに声をかけあい、勇気をもらう。
集会のトップは雲仙市の漁師・徳永さん。彼は諫早湾の特産、タイラギを採っていた。諫早湾が閉め切られて以降、潮流が止まり、ヘドロが海底に溜まり、貝は育たず漁獲ゼロが10年以上続いている。昨年9月、仲間とともに雲仙市長に要望書を提出し、「調整池の改善」「ヘドロの除去」など、漁民が生活できるように改善を求めた。彼は集会当日、ヘドロを持参して皆さんに説明し、窮状を訴えた。
意見交換では、「開門・非開門」の対立軸ではなく、多くの一般市民に呼びかけた話し合いを模索することが提起された。公民館単位での交流から地域への浸透に繋(つな)げるとりくみの提言もいただいた。
今回54名の参加があったが、近年は減少傾向にある。経費削減とともにカンパなどの方策を実行委員会で検討することを確認した。
集会後、交流会までの空き時間に街頭宣伝をおこなった。あいにくの雨だった。シャッターが目立つアーケードを横断幕やノボリを掲げて往復し、通行の子供たちや高校生に「生きものたちと仲良くしよう!」などと呼びかける。「ガンバレー」の声援に元気をもらった。
(JAWAN通信 No.147 2024年5月10日発行から転載)