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野鳥の生息環境を守る

─千葉県野鳥の会が創立50周年─


千葉県野鳥の会が創立50周年を迎えた。会は1974年に日本野鳥の会千葉支部として発足した。

1979年、野鳥の会の創設者である中西悟堂さん(故人)が日本野鳥の会から追放されるという事件が起きた。千葉支部は悟堂さんの追放に反対したため、支部承認を取り消される。そこで1981年、千葉県野鳥の会に名称を変更した。

会はこの50年間、自然保護運動を旺盛にくりひろげてきた。谷津干潟や三番瀬の埋め立てを中止させた運動では重要な役割を担った。

◆自然環境の保全活動も推進

千葉県野鳥の会 会長 富谷健三

千葉県野鳥の会は、自然保護運動にかかわりながら野鳥に関心をもっていた千葉県在住の方々が中心となり、初代石川敏雄会長の下で1974(昭和49)年に発足しました。

単に野鳥が大好きという会員だけの集まりではないのが最大の特徴です。野鳥観察を主とした探鳥会だけでなく、他の自然保護団体とともに、野鳥をはじめ野生生物が棲(す)む自然環境の保全活動にもとりくんでいます。

◆市民とともに自然を守り続ける

千葉県野鳥の会 事務局長 荒木 勉

この50年は、高度経済成長などで東京湾の干潟の90%以上が埋め立てられるという衝撃的な時代でした。その中で谷津干潟と三番瀬は埋め立てから逃れることができました。埋め立てを阻止できた大きな要因として、埋め立て反対運動はもちろんですが、学者(専門家)、マスコミ報道、各種団体の協力などいろいろありました。一番は「自然を守れ」という普通の市民の声でした。

今後も市民とともに貴重な自然を守り続けたいと思います。

千葉県野鳥の会創立50周年記念写真展に見入る人たち。谷津干潟と三番瀬の埋め立てを中止させた運動の歴史や三番瀬に飛来する野鳥などを展示。来場者は293人=2024年6月8日、船橋市民ギャラリー(中山敏則撮影)
2024年6月6日の『東京新聞』千葉版

JAWAN通信 No.148 2024年8月10日発行から転載)