ラムサール条約第9回締約国会議報告(8)

最終日(第7日目)

11月15日(火)
朝: NGO会議
午前: 議題XIX 決議案の採決(続き) (決議案2、3、4、8、9、10、11、12)
資格審査委員会報告 採択
午後: 議題XIX  決議案の採決(続き)
      (決議案15、24、25、25、26、5、22、1、13、5、27)
議題XXI  次回COP開催国
議題XXII その他の事項
議題XXIII 会議記録の承認
議題XXIV 会議の閉会
夜: 韓国慶尚南道主催レセプション

決議案の採決(続き)
決議案2 条約の科学・技術的側面の今後の実施 採択
決議案3 水関連の多国間プロセスへの条約の関与 採択
決議案4 魚業資源の保全と持続可能な利用 
 魚類資源を漁業資源に修正して採択
決議案8 ラムサール条約の枠組みの中の地域ごとの取り組み 採択
決議案9 条約の戦略計画2003−2008の実施の効率化
 2003−2008戦略計画に従い、COP10の国別報告書にはより簡単な書式を用いる。 採択
決議案10 自然災害の予防と影響緩和および適応における条約の役割
タイトルはいったん自然「現象」と修正されたが人為的な原因によるものを強調するものになった。 採択
決議案11 ラムサール事務局の用語と位置づけ
 他の国連環境条約と同じSecretariatを用いるが、条約本文にあるBureauとしての役割に変化はないものとする。採択
決議案12 科学技術委員会の運用規則の改定 採択

資格審査委員会報告 採択
午前の部終了

韓国NGOのパーフォーマンス
 韓国NGOは昼休みの時間を使って、会議場の下の広場で、COP10への歓迎と同時に湿地を破壊する大規模開発計画が存在することを指摘して、横断幕を広げ、締約国代表その他の参加者に訴えかけた。

決議案の採決(続き)
決議案15 湿地と貧困の低減 採択
決議案24 ラムサール登録湿地と国内の保護区体系 
 ラムサール登録湿地と国内の保護区に関するカテゴリーの統一を追及。採択
決議案25 高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)に対応した湿地と鳥の管理
 この日一日参加したCMS条約事務局長がこの決議案に関して感謝を表明した。採択
決議案26 ラムサール条約の管理の改善 採択
決議案22 湿地の文化的価値を組み込む
決議案1 条約の賢明な利用の概念を実施するための科学的・技術的な追加の手引き
ラムサールの『賢明な利用のツールキット ハンドブック』を改定し、付属文書A-Eを組み入れる。締約国はこれらの付属文書に向け、すべての利害関係者の注目を集めるようにする。採択
決議案13 財政および予算 採択
決議案5 生物多様性に関連した他の条約との協働
 付属文書は会議文書に変更。米国は生物多様性条約の加盟国ではないためワシントンと確認の作業を行っていたが「躊躇があるものの案に賛成する」ことを表明。採択
決議案27 開催国に対する感謝
 議長(ウガンダ議長)が「誰かこれに反対する人がいない限り(笑)、採択されたものと見なす」と宣言。採択

 最後の最後まで、かなり延長が必要になる、と考えていたが、決議案の採択はほぼ18時で終了。締めくくりとなる。

議題XXI 次回COP開催国
 韓国NGO にはCOP8の前からのCOP開催への希望があり、前回は慶尚南道の行政官が着ていたが、今回は環境部長官も会議に参加。韓国政府として招聘の意図を強く表明。
 日本政府は韓国の立候補に対して、アジアの43カ国のうち17カ国しか締約国がないことに留意し、アジアにおける条約の拡大の機会となるとして、韓国開催への支持を表明した。
他に開催を立候補する国がなく、韓国がCOP10開催国となることが決定。

議題XXII その他の事項
 イラクが時期COPまでに締約国になることを表明。グレナダ政府代表も「次回COPでは我が国はCPになっているべきだ」と約束ではないが、前向きな発言。
 また、ルーマニアはCOP11開催国に名乗りを上げた。
 日本はウガンダに感謝を表明、ガーナはアフリカ地域を代表してウガンダ政府と人々に感謝、次にアフリカでCOPが開催される時のためにウガンダは良いモデルを提供してくれたと表明。
 英国はウガンダ大統領、大臣、条約事務局員はじめ裏方で働いた人々、議長、同時通訳、数々のトラブルに立ち向かってくれた技術担当者、ウガンダ側の中心人物ポール・マファビ氏への感謝を表明した。

議題XXIII 会議記録の承認
 一部の内容に関して本国政府との協議が進行中のものがあるので、それを除いて記録を採択できるかどうかが問われた。しかし会場からの特段の発言なしで土曜、月曜の分の会議記録がそのまま採択された。

議題XXIV 会議の閉会
各国NGO間の話し合いによる声明:ウガンダの草の根NGO代表 ルース・ムビル
締約国は地域のNGOの働きを評価すべきであること。締約国会議においてNGOの参加を促進すべきこと。次回COP10において韓国政府がNGOのより包括的な参加ができるよう強く要請する。

先住民代表の声明: 
 パナマのクネ先住民共同体のオネル・マシャルドゥーレが、今回のCOPにおいて、湿地保全に重要な働きをしてきている先住民の参加が極めて少ないことに憂慮。湿地に関する法と政策の策定において、先住民の完全な参加を確保する必要があることを指摘した

国際協力団体(IOP)代表:今回IOPに加わったIWMIを含めて5つの団体を代表して、バードライフ・インターナショナルのディブ・プリチャードが声明を発表。大統領の参加は水COPの歴史にとって大きなことであるし、国際環境NGOとして水力発電とはやっていくことが可能だと申し上げたい、とまとめた。

条約事務局長:結びの言葉

ウガンダ環境大臣:閉会の発言の中でウガンダは新たに9ヶ所の湿地を登録することになった(拍手)と報告し、同時通訳担当者には超過労働となったが、午後7時10分にCOP9は終了した。


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